調査研究事業の概要

平成5年度
 本年度の研究課題は、これまでの「共同研究」「自主研究」(独自研究)「提案研究」「受託研究」に加え、はじめて「診断事業」にとりくんだが、その研究概要は次の通りである。
 第1の「共同研究」は市町村との共同研究であるが、昨年からの継続研究である「美深町農業振興計画」「白糠町農業振興計画」、今年度新たなとりくみとして「追分町農業振興計画」「知内町農業発展ビジョン策定」「生田原町農業振興計画」「静内町農業振興計画」の6件の共同研究を実施した。
 本研究所では、過去3ヵ年間で16件、約30市町村の地域問題に携わったこととなり、これらを総括する中で地域問題での一定の方向を整理する段階にあると言える。
 第2の「自主研究」は、平成3年度〜4年度の2ヵ年にわたって「農業構造問題研究会」で論議する中で、当面の緊急課題として「農地問題」と「農家の負債問題」がとりあげられ、「農地問題」を独自の研究としてとりくみ、「負債問題」は提案研究としてとりくむこととした。
 農地問題は、「北海道の農地問題」をテーマに平成5年度〜6年度の2ヵ年の研究課題とし、稲作、畑作、酪農、の3つの地帯区分で分析、検討を行うもので、本年度は稲作地帯の分析を行った。  今一つの自主研究は「農業情報に関する研究」であるが、全中の奨励研究「地域農業振興(技術)センターの役割と機能強化に関する研究」をとりくむ中で、各地区の事例調査を実施し、分析した結果、各地区の農業センターが横の連携のとりくみの必要性を強く求めていることから平成6年度も継続して研究することとした。
 第3の「提案研究」は道立中央農試との共同研究で「鮮度保持を要する北海道農産物の低コスト物流システムの確立」、「道産野菜の競合産地情報システムの開発」、そして北海道農業信用基金協会との共同研究で先に触れた負債問題として、「農家経済の再建に関する調査・分析」にとりくんだ。
 第4の「受託研究」では「カジュアルフラワーの需要と生産」「農産物出荷・輸送高度化システム」「網走地域高収益農業確立」「卸売市場の価格形成と消費動向」の4件にとりくんだ。特筆すべきは北海道において「花」問題で社会科学分野での研究は初めてのとりくみであり、今後の北海道の「花」問題に示唆を与えるものであった。
 第5の診断事業は初めてのとりくみであるが、国営ネシコシ土地改良事業で造成された農地167haを個人に配分するのではなく、法人として運用する方法についてのコンサルテーションであり、国の新農政とも相まって、注目される課題である。結論は平成6年度に示すこととなっている。
 調査研究事業のほか、会報については4回の発行。研修会は農業情報に関する研修会の開催、そして叢書を4回、報告書を3回発行するなど、当初計画通りの事業を完了することができた。