調査研究事業の概要

平成17年度
   当研究所は今年16年目を迎えました。調査研究事業にあたりましては、大学・試験場などの「協力研究員」約100名の協力・支援をいただき、自ら課題を設定し調査研究する「自主研究」2件、農業振興計画策定に関わる農協との「共同研究」1件、関係機関・団体からの「受託研究」16件、さらに「診断事業」1件に取り組みました。
これらの概要は次の通りです。
 
     
  1.「自主研究」
 「北海道農業における地域マネジメント体制の構築」では、平成13年度以来継続して、道内各地に展開する地域マネジメントシステムについて調査し、その構築条件ならびにあり方について検討してきました。今年度はこれまでの取り組みを集大成して地域マネジメントシステムの類型化を図り、それぞれのシステムの特徴を明らかにするとともに営農戦略形成上の有効性について提起しております。
 「北海道農業農村基本対策の研究」では、平成16年度より検討を行なってきた畑作における経営安定対策を中心とした政策転換の影響と求める方向性について総括するとともに、平成17年10月に出された「経営所得安定対策等大綱」を踏まえ、これらの影響が懸念される稲作地帯の現状と対応方向について、現地関係者の参加を得て研究会を開催いたしました。   
 
     
  2.「共同研究」
 JA帯広かわにしの「次期農業振興5ヵ年計画策定」にあたって、計画の樹立・推進に関するアドバイスならびに情報提供を担うスタッフとして、基本方策のあり方や合意の形成さらには推進に関わる人材育成などについて協力・支援を行ないました。
 
     
  3.「受託事業」
 北海道開発局、北海道、北海道農業開発公社、JA北海道中央会、ホクレン農業協同組合連合会、北海道てん菜協会などから16件の調査研究の依頼を受けて着手し、それぞれ報告いたしました。
 主なものをあげると、「北海道農業・農村・農協が直面する重要課題の調査検討ならびに提言」では、組合員ニーズに的確にこたえられる農協の組織・事業運営のあり方を探るため、3ヵ年継続事業の初年度としてT.「WTO新貿易ルールにおける北海道・他産業への影響分析」を行ない報告するとともに、U.「農協事業活動における大規模農業生産法人との連携体制の構築」について実態調査を行いました。さらにV.「農協営農支援事業の広域的展開に伴う課題の摘出と改善方策」の検討に向けて、前年まで取り組んだ農協問題に関わる事業成果の報告会を全道5ヵ所において開催し意見交換を行ないました。
 「畑作農業経営に係る全道意向調査業務」では、品目別価格支持政策(黄色の政策)から品目横断的政策による直接支払い制度(緑の政策)への転換が閣議決定されたことから、新制度への対応に関わる諸問題を明らかにするために、「新たな経営安定対策」に関するアンケートを畑作農業経営者を対象として実施し、意見要望等を収集・整理いたしました。
 「水田地帯における転作作物導入による農業所得向上対策調査業務」では、主要な水田地帯における中堅的な稲作農家について、転作作物の導入により所得確保に取り組んでいる事例を収集し報告いたしました。次年度は、これらの事例を中心に収益構造を分析し、水田農家の所得向上対策のあり方について解明する予定です。
 「バイオマス利活用による循環型社会形成方向検討業務」では、食品製造事業者におけるバイオマス利活用の意識調査・実態事例調査を行なうとともに、全道における農・畜産バイオマス需要・供給量の推計を行なって、農業生産から食品製造に至る過程での循環型社会を形成する場合の課題整理と可能性の検討を行ないました。また、環境保全型農業の構築に有効な生産システムのあり方について、あわせて報告いたしました。
 「米の購買における消費者の商品選択等に関するアンケート調査業務」では、米販売対応の多様化に伴い極めて複雑になっている消費者の購買行動を究明するため、全道6地点において消費者のアンケート調査を実施しました。この結果、消費者が重要視する商品特性や購入先の選択要因は、居住地域により特徴的な差異があることが明らかになり、その詳細について報告いたしました。
 「農地保有合理化事業に関する調査(畑作)業務」では、十勝・網走の主要畑作地帯における実態調査を通じて、農地保有合理化事業が畑作経営の展開に果たしてきた役割を明らかにするとともに、事業が有する問題点について検証し、利用推進に関わる諸課題について提言いたしました。
 
     
  4.「診断事業」
 北海道農業協同組合学校が、教育研修内容の充実を図るため発足させた「農業・農協問題懇話会」の運営に関わって、助言ならびに支援を行ないました。   
 
     
  5.「会報の発行、研修会・研究会・講演会」
 機関紙「地域と農業」を年4回発行いたしました。特に新たな経営所得安定対策に関連して、2回にわたり特集として取り上げました。
 総会時の特別講演においては、北海道大学経済学部の濱田康行教授より「北海道地域経済の活性化」をテーマに講演をいただきました。
 また、当研究所主催の研修会では、「北海道の食の安全・安心の推進について」と題して北海道農政部食の安全推進室の東修二室長に、また「農協改革への提言」と題して北海道大学農学部の坂下明彦教授に講演をいただきました。それぞれ多くの参加者により活発な意見交換がなされました。
 さらに、各地で開催された研修会・講演会などへの講師の派遣、学会・研究会での研究員の報告など、当初の計画を上回る事業を実施することができました。  
 
     


一般社団法人 北海道地域農業研究所
札幌市北区北6条西1丁目4番地2  ファーストプラザビル7階
電話 (011)757-0022 FAX (011)757-3111