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平成29年度(2017年度)

(1) 「平成30年産以降の北海道の水田農業のあり方に関する調査研究」(委託者:北農5連)

概要

 平成30年産以降の我が国の水田政策が、1)米の直接支払い制度が廃止される、2)米の生産調整における数量目標の設定から国が手を引く、という2つの大きな転機を迎えるにあたって、道内の5ケ所の水稲主産地の農協並びに生産者に対して聞き取り調査を行い、1)地域の水田農業の方向性を見極める、2)前述の調査結果をもとに、上川地域と空知地域の典型的な大規模稲作経営の経営動向に関するシミュレーションを行い、収益確保のための規模拡大行動による収益変化とその条件を検討する、3)調査対象地域の農協の販売戦略について明らかにする、ことを課題として調査研究を行った。
 調査の結果、1)今後の水張り面積の維持・拡大意欲には地域差が見られること、2)作目間の所得比較とLP分析をもとに道内の水田利用の地域性には適地適産的な合理性があること、さらに、3)水稲供給力の維持・確保には省力技術の展開が急がれること等が明らかになった。
 こうした分析結果から、1)全道から地域協議会への生産の目安の設定にあたっては、実効性の高い現場の水稲作付け意向に十分配慮する必要がある、2)水稲直播栽培や疎植栽培等の省力栽培技術の確立やICT田植機の導入、基盤整備・圃場団地化等への支援が重要であり、各地域で目指すべき経営モデルの明確化と関係機関と連携した取り組みが必要である、3)北海道米の販売戦略として業務用米の方向も考えられうるが、主食用米との価格差を考慮して対応するべきである、との提言を行った。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
平成30年産以降の北海道の水田農業のあり方に関する調査研究報告書
/平成29年度 北農5連委託事業
管理番号
641-436
委託者
北農5連
執筆者
仁平 恒夫、東山 寛、細山 隆夫、小松 知未、正木 卓、小池 晴伴
発行
2017.12
キーワード
北海道、空知管内、稲作
備考
PDF公開あり(会員限定)

(2) 「新たな農協間協同に基づく広域農業振興の可能性に関する調査研究」(委託者:北農5連)

概要

 北海道内の各農協は、力強く持続可能な農業の実現に向け、それぞれの地域の実情に応じた独自の対応とともに、農協ならではの強みを生かした農協間協同による横軸の連携を強化した取り組みも展開されてきている。そこで、今まさに各地域で進展している、これら新たな農協間協同について、そのビジョンや取組内容、効果について調査を行い、農協、農協連、連合会や関係機関の役割分担を明らかにし、農協間協同に基づく広域農業振興の可能性や在り方を提言することを課題として、調査研究を行った。
 その結果、今日の地区連の機能拡充という事態を招いているのは、各地域が直面している抜き差しならない農業構造・担い手問題であり、根本には農家戸数・組合員数の減少があることが明らかになった。またそのことが、単協の枠を超えて運営する広域施設への統合(オホーツク)、担い手対策の広域的対応(釧路、根室、宗谷)、畜産を対象とした営農指導体制の集約(上川)を促していることについても明らかになった。さらに、現実問題として、その機能を担うことができる「受け皿」は地区連をおいて他になく、「人事異動がない」という組織の特質が、かえって地区連のメリットとして捉えられていることも指摘した。ただし、地区連が果たそう、担おうとしている機能や事業は現在も「模索中」の段階であり、その意味で、やや長いスパンで評価していく必要があると考えられる。
 最後に、現時点での最大の課題として、1)収益を生まない事業を引き受けていることに起因する費用負担問題、2)地区連自体に職員の人材育成機能が備わっていないことを指摘し、地区連自体がプロパーの職員を採用し、人材育成をしていかなければ、今の「地区連ルネッサンス」は一過性の現象に終わってしまう可能性もあることを示唆した。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
新たな農協間協同に基づく広域農業振興の可能性に関する調査研究
/平成29年度 北農5連委託研究事業
管理番号
648-442
委託者
北農5連
執筆者
東山 寛、小林 国之、宮入 隆、井上 誠司、小池 晴伴、糸山 健介
発行
2018.03
キーワード
北海道、オホーツク管内、根室管内、北見、網走、小清水、津別、標茶、浜中、中春別、計根別、全般、畑作
備考
PDF公開あり(会員限定)

(3) 「農産物流通構造の多様化と今日的意義に関する調査研究」(委託者:北海道農産物協会)

概要

 本研究事業(平成28年度~平成29年度の2ヵ年事業)の目的は、今日の日本における農産物流通構造の現状と課題の整理、及び個別事例の調査を通して、農産物流通構造の実態を解明し、その意義を明らかにすることである。具体的には、農産物流通の現状に関する各種統計資料及び先行研究の整理を行い、同時に、農産物流通構造の多様化に取組む北海道及び府県の先進的な事例として、主に「七飯町野菜生産出荷組合」、「株式会社へんこ」(三重県)、「株式会社クロスエイジ」(福岡県)等を選定し、随時、調査を実施した。
 各種統計資料の精査及び課題の整理、個別事例の調査及び調査結果の検討を踏まえ、最終年度となる本年度では、多様化する日本の農産物流通構造の現状を把握するとともに、そこに対応するうえでの条件の抽出、さらには今後の北海道に対する示唆を含め、最終報告書を取りまとめた。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
農産物流通構造の多様化と今日的意義に関する調査研究[最終報告書]
/平成29年度 一般社団法人北海道農産物協会委託調査研究
管理番号
649-443
委託者
北海道農産物協会
執筆者
申 錬鐵、渡辺 康平、小林 国之、正木 卓
発行
2018.03
キーワード
北海道、渡島管内、七飯、野菜
備考
PDF公開あり(会員限定)

(4) 「業務用米の実態と今後の動向に関する調査研究」(委託者:北海道農産物協会)

概要

 平成30年産の米政策見直しにより、国による生産目標数量の配分、生産者への交付金が廃止され、米の生産・販売のあり方にも大きな変化が予想される。
 主食用米の需要は、少子化、高齢化、食生活の変化等によって、国の見通しでは毎年8万トン程度減少していくことが見込まれているが、一方、その消費構造については、家でご飯を炊いて食べる家庭用から外食・中食向けに供される業務用へのシフトが進んでいる。
 こうした業務用米の需要の伸びや引き合いの強さを背景に、産地・卸売業者・実需者間においては、業務用米銘柄の推進や、事前契約による取引拡大等、安定供給に向けた業務用米の流通体制の構築を模索する動きが活発化している。これらの動向は、平成30年産以降の米政策の見直しも視野に入れたものとも想定されるが、今後の米生産のあり方や米全体の需給、また市況価格にも大きな影響を及ぼすものと思われる。本調査研究は、主食用米流通において大きなウェイトを占めるに至った業務用米について、その需給実態やニーズの変化、そして今後の動向を調査把握することにより、これからの米の生産・販売の資となる取りまとめを行うものである。
 本事業は2カ年の調査研究事業であり、初年度である本年度は、主食用米市場における業務用米の位置づけ、業務用米の流通実態、産地における業務用米に対する対応状況を調査し、中間報告書として取りまとめた。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
業務用米の実態と今後の動向[中間報告書]
/平成29年度 一般社団法人北海道農産物協会委託調査研究
管理番号
650-444
委託者
北海道農産物協会
執筆者
小池 晴伴
発行
2018.03
キーワード
北海道、稲作
備考

(5) 「ホクレン百年史部分執筆業務」(委託者:ホクレン農業協同組合連合会)

概要

 ホクレンの100年史編纂事業に際し、原稿の一部を当研究所が執筆担当することとなった。担当箇所は、前回90年史以降の社会情勢・農業情勢や系統組織を取り巻く情勢の概観部分、並びにホクレン事業の最近10年間の総括部分である。
 昨年度下半期から取り組み、2年目となる本年度は、北海道農業・農村を取り巻く環境の変化、最近10年間におけるホクレン事業についての取りまとめ執筆を行い、10月に最終原稿を提出して業務を終了した。

報告書等

※ 未登録

(6) 「土壌病害蔓延防止のための効果的・効率的なてん菜輸送体制の確立」(委託者:農研機構 生研支援センター)

概要

 本研究は、ホクレン・道総研十勝農業試験場との共同研究事業とし、欧州製除土積込機の導入・実証試験により、土壌病害蔓延防止のための効果的・効率的なてん菜輸送体系の確立を目指している。
 2年目となる本年度は、遊離土砂の発生実態と専用堆積場における現地調査から、専用堆積場での遊離土砂軽減効果を確認するとともに、除土積込機導入の有効性について考察し、他研究機関とともに報告書に取りまとめた。

報告書等

※ 未登録

てん菜作付面積の維持確保に向けた農業従事および就農に関する調査報告書 /ホクレン農業協同組合連合会委託事業

概要

 てん菜は地域農業・地域社会・地域経済を支える重要な作物であり、圃場の地力維持のため輪作体系上欠くことのできない基幹作物であるが、耕作者の戸数の減少等により作付面積の維持確保が困難な状況となってきており、様々な場面で種々の取り組みがなされている。特にてん菜の栽培においては、育苗作業等多労・過重作業が多く、このことがてん菜作付面積減少に一層拍車をかけていることが予想される。
 平成27年度調査では「てん菜作業支援体制に関するアンケート調査」を実施し、てん菜作付面積の減少の主要因として、「作付戸数の減少」「担い手の高齢化」「労働力不足」「手取額低落」等を明らかにした。このアンケート調査結果を基に、平成27年度は10JA、平成28年度は10JA・2農業法人において聞き取り調査を行い、てん菜栽培における作業支援体制等具体的な取り組み内容の詳細を調査した。
 平成29年度は前年に引き続きJA及び農業法人や新規就農者等への聞き取り調査を行い、具体的な取り組み内容の詳細を調査するとともに、「新農業人フェア」「北海道新規就農フェア」にて新規就農・農業従事に関する意向調査を実施し、労働力確保対策のための各種情報収集を行った。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
てん菜作付面積の維持確保に向けた農業従事および就農に関する調査報告書
/ホクレン農業協同組合連合会委託事業
管理番号
642-437
委託者
ホクレン農業協同組合連合会
執筆者
黒澤 不二男、船本 末雄、井原 澄男
発行
2018.02
キーワード
北海道、石狩管内、空知管内、上川管内、十勝管内、オホーツク管内、札幌、由仁、富良野、美瑛、士別、清水、上士幌、佐呂間、美幌、常呂、畑作
備考

(8) 「土地利用型農業の経営継承問題―移譲希望者の引退計画、引退準備を中心に―(2年度目)」(委託者:北海道農業公社)

概要

 わが国における少子高齢化と他産業との労働力需要の競合は農業労働力の減少をもたらし、農業部門での担い手確保がより難しくなってきている。特に、農業を基幹産業としている本道ではその問題が顕在化しており、その対策として新規参入者の受け入れ、第三者継承の推進といった担い手確保への取り組みが活発に行われている。
 本課題では、こうした様々な取り組みのうち第三者継承に着目した。第三者継承においては、実際の資産の継承にあたって取引価額をめぐる移譲希望者と継承希望者間での利害の対立により両者の信頼関係が損なわれてしまい、その結果、継承はなされても両者の関係にしこりが残ったり、場合によっては継承そのものが中止されてしまったりする事例が散見されている。このような利害対立は現状でも既に第三者継承の大きな阻害要因となっているが、今後、経営規模の拡大によって、全体的な取引規模の上昇に伴い利害対立がより深刻化する可能性も懸念されている。第三者継承の円滑な進展のためには、このような利害対立を防ぎ、移譲希望者・継承希望者間の信頼関係を維持していく取り組みが今後一層必要となると考えられる。
 その対応策のひとつとして挙げられるのが、移譲希望者の引退計画である。農業からの引退に向け、どんな段階を踏み、経営資産を誰にどのように移譲するのか、引退後の生活に経済的な不安が残らないようにするためにはどのような附帯条件・価額を付ければよいか、等の計画を移譲希望者が前もって立てておくことで、何も計画を立てなかった場合と比べ移譲希望者と継承希望者との交渉が円滑化し、第三者継承の成功率はより高まることが予想される。
 以上より本年度調査研究では、道内における高齢農業者の引退行動・経営継承行動に関する事例調査・機関調査等を昨年度から継続し、今後の農業労働力不足の大きな要因たりえる後継者世代の配偶者の就農行動についても現地機関調査・個別事例調査・紙面によるアンケート調査を行った。
 これらの内容について、平成30年1月下旬に中間報告会、同2月下旬に最終報告会を開催、3月中旬に報告書を提出して業務を完了した。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
土地利用型農業の経営継承問題(2年次目)研究調査報告書
―移譲希望者の引退計画、引退準備を中心に―
/平成29年度 公益財団法人北海道農業公社委託業務
管理番号
645-439
委託者
北海道農業公社
執筆者
柳村 俊介、東山 寛、小内 純子、花田 真帆路、中津 裕太、井上 淳生、經亀 諭
発行
2018.03
キーワード
北海道、空知管内、沼田、秩父別、全般
備考

(9) 「十勝育成牧場の運営検討支援業務」(委託者:北海道農業公社)

概要

 本業務では、公益財団法人北海道農業公社が運営する十勝育成牧場の事業と役割を検証し、牧場の将来のあり方を含む事業の方向性や施設整備のあり方等を検討するため、当研究所が事務局となって学識経験者や行政、関係団体及び北海道農業公社の職員で構成する「十勝育成牧場運営検討委員会」を設置した。
 本検討委員会では、1)現下の北海道の酪農・畜産の動向の中で、十勝育成牧場を含む全道の公共育成牧場の現況等から考えられる十勝育成牧場の特色や機能の把握、2)十勝育成牧場が立地する大樹町の土地の特徴、草地の物理的・化学的な分析や飼料の分析、3)乳肉用牛育成事業の収支明細書から、乳用牛部門と肉用牛部門(肥育部門、繁殖部門、育成部門)に分割した過去5か年の年度別の原価計算と損益や利益率の算出、4)平成28年度の原価や収益を基準にして、牧場の運営継続に関わる優先度の高い投資内容と家畜売上額の変動(低下)を組み合わせた14パターンの収支シミュレーション、5)牧場の受益者(ユーザー)に対する家畜取引に関する調査、等を行って牧場の果たすべき役割や事業運営等について評価・検討した。
 こうした検討の結果や事業運営の改善、地域における公益的な役割発揮に向けた提言を報告書にまとめ、平成30年3月中旬に提出して、業務を完了した。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
十勝育成牧場の運営検討支援業務
/平成29年度 公益財団法人北海道農業公社委託業務
管理番号
644-438
委託者
北海道農業公社
執筆者
森田 茂、黒澤 不二男、船本 末雄、高木 正季
発行
2018.03
キーワード
北海道、十勝管内、酪農、肉牛
備考

(10) 「JA教育研修活動の実態調査とJAカレッジに期待される機能について」(委託者:北海道農業協同組合学校)

概要

 本研究事業の目的は、職員採用及び職員定着に関して先進的な取り組みを行うJAの実態調査を通して、JA職員の一層の職場定着化に向けた提言を行うことである。
 JAカレッジでは、JA段階の学習・教育・研修活動の実態把握とJAカレッジの位置づけや評価等の検証を行うために、ここ数年、JA教育実態調査を実施してきた。平成28年度にオホーツク管内の2JAと酪農地帯の1JAを調査したことから、平成29年度は水田地帯のJAと十勝管内のJAを調査することとし、平成23~27年の間の新規学卒採用者の離職率が5%未満のJAのなかで、JAの規模、事業特性、事業利用状況等をもとに、4JA(大樹町・帯広かわにし・道北なよろ・むかわ)を選定した。また、先進的な取組を行う府県の例として、JA兵庫南を選定した。加えて、JA酪農専門技術員の養成に向けた取組の調査先として、釧路農協連及びJA摩周湖を選定した。
 以上を通して、JA職員の職場定着に向けての提言をまとめた。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
JA職員の定着化促進ならびにJAに求められる就労環境に関する調査最終報告書
/平成29年度 JAカレッジ委託調査事業
管理番号
651-445
委託者
北海道農業協同組合学校
執筆者
坂下 明彦、小林 国之、井上 淳生
発行
2018.03
キーワード
北海道
備考

(11) 「JAおとふけ組合員アンケート分析業務」(委託者:音更町農業協同組合)

概要

 JAおとふけが平成29年12月に実施した「JAおとふけ事業にかかるアンケート」の調査結果をもとに統計分析を行い、1)全体版、2)要約版、3)地域別分析の3つの報告書として取りまとめた。
 要約版では部門別チャートを基に改善点を指摘するとともに、地域版では地域ごとの特徴的な項目について取りまとめた。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
組合員アンケート集計・分析業務報告書(JAおとふけ)
管理番号
646-440
委託者
音更町農業協同組合
執筆者
山口 和宏
発行
2018.03
キーワード
北海道、十勝管内、音更、全般
備考

(12) 「音更町農業労働力支援事業にかかるアンケート集計・分析業務」(委託者:音更町農業労働力支援協議会)

概要

 十勝管内においても、農作業を補完する短期雇用労働者の確保は年々厳しくなっている状況にある。
 本調査では音更町農業労働力支援協議会より委託を受け、町内の雇用労働力の需給実態把握を目的に農家全戸へのアンケート調査を行い、現場での労働力確保の現況と課題について分析して、今後の労働力確保対策に資する報告書を取りまとめた。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
音更町『労働力不足に関するアンケート調査』調査結果報告
管理番号
647-441
委託者
音更町農業労働力支援協議会
執筆者
山口 和宏
発行
2018.03
キーワード
北海道、十勝管内、音更、全般
備考

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