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共同研究

平成4年度(1992年度)

(1) 「留萌地域農業総合コンサルト」(委託者:留萌地区農協組合長会)

概要

 本研究では、留萌支庁の全地域における農業と農協の近年の問題状況を明らかにし、将来に向けての農業のあり方を示し、それに取り組む農協の組織・事業の強化方向について提言することをねらいとした。
 一口に留萌地域の農業といっても9市町村に12農協(平成3年7月時点)が存在し、日本海と天塩・増毛山地によって挟まれて南北155kmに及ぶ縦長の複雑で広大な地域に存立している。気候的・地形的・歴史的な特徴から、全体としては稲作を基幹としながらも果樹・野菜・酪農と南北に異なる農業地帯をなしているだけではなく、同じ町村の中でも河川を中心に多様な地域を構成している。この多様性を考慮し、本研究では全対象農協を対象にした概況調査に加え、比較的大きな河川による「櫛の歯」地形が典型的に形成されている苫前・小平町を中心に管内農家の聞き取り調査を基に、作目・組織・農協についての現状を分析した。また、今後の方向についても、産地形成を優先させた広域的な農協組織再編を含めた提案を行った。

報告書等
カテゴリ
地域農業研究叢書
書誌名
第9号
留萌農業の地域構造と展開方向
/留萌地域農業総合コンサルト報告書
管理番号
9-9
委託者
執筆者
吉野 宣彦、飯澤 理一郎、塩沢 照俊、柳村 俊介、坂爪 浩史、山本 毅、矢崎 俊治
発行
1992.10
キーワード
北海道、留萌管内、留萌、酪農、野菜、稲作
備考
PDF公開あり(無制限)

(2) 「訓子府町農業振興計画策定に係る基礎調査」(委託者:訓子府町農業振興連絡協議会)

概要

 訓子府町は、北海道の畑作地帯にあっても「網走型」と呼ばれる集約的な地帯に属し、しかも斜網地区のような十勝に並ぶ畑作専作地帯と異なり、玉ねぎを含む集約的な土地利用を確立してきた。畑作を見ても、豆類を除く3品体制とはいえ馬鈴しょは食用であり、原料農産物の反収も北海道のトップレベルにある。また、酪農の立地も分散的であり、畑作との「地代競争力」に耐える高収益を確保する水準にある。また、近年は玉ねぎを除く野菜の導入も顕著であり、総じて一部酪農を含みつつ畑作地帯としては集約的な経営群を擁している。
 このように、訓子府町の農業並びにその振興を図ってきた生産部会を含む農協の活動は全道的にみても高水準にあり、今後の農業の方向付けについてはそのレベルの高さゆえの困難さが存在する。基礎調査にあたっては、農協・役場職員による振興対策室と協力しながら、アンケート調査、集落代表調査、生産部会調査を行った。その結果に基づき、課題を整理し提言した。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
訓子府町農協振興計画策定のための基礎調査報告書
管理番号
253-153
委託者
訓子府町農業協同組合
執筆者
吉野 宣彦
発行
1992.08
キーワード
北海道、オホーツク管内、訓子府、畑作、野菜
備考

(3) 「前田農協農業振興計画策定に係る基礎調査」(委託者:前田農業協同組合)

概要

 道南の農業構造は相対的に小規模という特徴があり、「先発後進」といわれてきたが、そのなかで集約化をすすめ、10aあたり粗生産額でみても道平均よりも大きくなっているという先進性を持っていることが注目される。
 しかし、前田農協は、隣接する発足農協と比較してみても、集約化への対応が10年程度遅れており、「優良米産地」としての位置づけが裏目に出てきたといえる。前田農協の地帯構成は水田地帯・田畑作地帯・畑田地帯の3つに区分することができる。水田地帯では基盤整備に伴う負債問題が表面化しつつあり、より地代負担力の高い作物導入が必要となっている。田畑作地帯では、農家労働力の高齢化、後継者問題がいずれ表面化しそうな状況にある。また、畑田作地帯については、専業農家率も高く、一戸当たり経営面積が最も多い地帯であるが、所得向上をはかるうえでも、輪作体系の一環を担える作物の導入が必要になっている。
 以上の現状を踏まえ、本報告書では、将来目標(平成12年)として農協の販売高現状32億円を160%強の50億円の販売高を目指すことを提起し、その実現のための課題を整理した。

報告書等
カテゴリ
地域農業研究叢書
書誌名
第11号
旧開稲作地帯における野菜産地化の課題
/前田農協農業振興計画策定に関する基礎調査報告書
管理番号
11-11
委託者
執筆者
飯澤 理一郎、北原 克宣、板橋 衛
発行
1993.03
キーワード
北海道、後志管内、前田、野菜、稲作
備考
PDF公開あり(無制限)

(4) 「東藻琴村農業振興計画策定に係る基礎調査」(委託者:東藻琴村)

概要

 畑作3作物に特化した斜網地区のなかで、東藻琴村は畑作だけでなく酪農・養豚・肉牛などの畜産をも振興し、独自の展開をしてきた。東藻琴村では昭和61年以降平成4年終了の農業振興計画を見直し、この期間に加わった状況変化である、畑作物の作付規制や牛肉の輸入自由化を考慮して、畑作物の作付規制の下での野菜を中心にした新作物の生産・販売体制の確立、自由化の進行に伴う農畜産物の価格低下に対するコスト低減策、高齢化・過疎化を克服し生活の場としての東藻琴村の確立などを課題としている。
 本事業では、農協が実施したアンケートと23戸の農家調査を主に基礎として現状分析を中心に報告を行い、加えて振興計画を策定するに当たっての提言を行った。

報告書等
カテゴリ
報告書
書誌名
東藻琴村農業振興計画策定のための基礎調査
管理番号
255-155
委託者
東藻琴村
執筆者
吉野 宣彦
発行
1993.02
キーワード
北海道、オホーツク管内、東藻琴、畑作、野菜、酪農
備考

(5) 「白糠町農協農業振興計画に係る基礎調査」(委託者:白糠町農業協同組合)

概要

 農協から農家まで最高50kmにおよぶ3つの奥深い沢に沿って農家が点在する白糠町は、かつては「白糠ゴボー」の銘柄をもつ野菜産地として、また軍馬補充部時代からの馬産地として、長い歴史を引き継いだ酪農専業地帯である。平坦部の狭隘さは規模拡大を制約し、1戸当たりの経営面積や頭数規模は極めて小さく、大規模酪農専業地帯である根釧の中で強い独自性を示してきた。
 しかし、乳検の年間1頭当たり乳量は根釧では昭和59年の最下位から平成3年の2位へと、近年急速に高泌乳化が進んだ。その反面農家所得の伸びは他農協と比べて極めて低位に終わっている。急速な高泌乳化は十分にコストを低下させず、したがって所得も充分に増大させず、さらに一層の増産を志向させるという悪循環の状態にある。これまで多頭化が比較的緩慢であったため多頭化を志向する農家は多く、負債の返済不能な農家の多くは一層の増産を志向する傾向にあるため、悪循環をさらに繰り返す危険性は大きい。この悪循環から抜け出し、所得の増大と労働にゆとりを作り出し、農家減少を食い止め、累積負債を変換するための転換方向を見出すことが白糠農業の緊急な課題である。
 本研究ではそうした問題意識に基づき、個別経済データやアンケートなどの大量集計と50戸程度の農家聞き取り調査を基に現状分析を行って、今後の方向性として提言を取りまとめた。

報告書等
カテゴリ
地域農業研究叢書
書誌名
第13号
白糠町農業の構造と展開方向
/白糠町農業振興計画策定のための基礎調査報告書
管理番号
13-13
委託者
執筆者
吉野 宣彦
発行
1993.05
キーワード
北海道、釧路管内、白糠、酪農、野菜、肉牛
備考
PDF公開あり(無制限)

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