平成12年2月、北空知8農協が合併して「JAきたそらち」が誕生した。それとともに「新JA農業振興計画」が策定されたが、これは旧8農協の性格を色濃く残しており、その意味で合併農協としての特色を生かしたものとは言いがたかった。その後、平成14年、JAきたそらちは平成15年度から5ヵ年かけて実施する「第2次農業振興計画」の策定に着手する。すなわち、合併農協としての特色を踏まえた新たな計画を作り上げていくことになったのである。本研究は、その円滑なる策定の支援を行うために、およそ1ヵ年かけて取り組んだものである。
支援業務の対象となる「遠軽ブロック」とは、網走支庁管内「東紋地域」のことである。東紋地域では管内5JA(サロマ、ゆうべつ町、えんゆう、まるせっぷ、生田原町)の広域合併を検討しており、合併後の新生JAの農業振興計画の策定、すなわち「遠軽ブロック広域農業振興の方向と実現の道筋」を立案することが支援業務の目的である。
具体的振興計画として1)遠軽管内地域農業の現状分析と将来予測・課題の整理、2)遠軽管内農業振興骨子の整理、3)遠軽管内農業振興方向の整理、4)遠軽管内農業振興に向けた取組課題の整理(提言)の4つの研究課題に取り組むこととなっており、平成15年2月までに1)及び2)について中間報告書を、平成15年7月までに3)及び4)について最終報告書をそれぞれ提出する予定になっている。
今年度の調査は、地域農業の現状分析と課題の整理を中心に行い、「JA合併検討委員会営農販売部会」からのヒアリングを皮切りに、管内7町村の農政担当課・農業委員会からのヒアリング、酪農ヘルパー及びコントラクター事業といったJAによる営農支援組織への機関調査を実施した。
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平成14年度、浜頓別町の農業関連組織で構成している営農指導対策協議会は、平成15年度を初年度に平成19年度を目標年度とする5ヵ年の「浜頓別町農業振興計画書」を策定することとなり、当研究所に計画策定支援業務を委託した。この業務は、1)浜頓別町農業の現状分析・課題整理、2)浜頓別町農業振興方策骨子の提言、3)浜頓別町農業振興計画原案に対する助言を担当するものであるが、3)については同協議会の事務局である役場の機構改革を伴った人事異動によりスケジュールが遅れ、最終協議の場での助言を行うこととしている。
農業振興計画策定支援業務の中核をなす振興方向の骨子は、協議会事務局が提案の「農業振興方策」原案に対し、町の総合計画及び過疎地域自立促進計画(平成12~16年度)とも整合性をとり、事項の再構成と充実を試みた修正案を提示するとともに、振興方策については地域の特性を全面に出した対案についても提案した。
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上川管内のJAびえいは、昭和55年度以来、総合的な生産性向上を柱とする地域農業振興計画を策定し、現在第6次計画に取り組んでいるが、その間の農業を取り巻く様々な情勢変化のために平成16年度完了時での計画達成は困難な状況にある。
過去の振興計画は、多様な作物を栽培できる美瑛の恵まれた自然条件を背景に、どちらかというと個別専業農家育成を柱とし、営農類型を示し販売目標金額を示すこと、そして政策として農業環境の整備に重点が置かれてきた。しかし、第7次計画は今後の農業を取り巻く諸情勢の変化、高齢化、及び後継者不足が予測される美瑛の農業事業を踏まえて、販売までを見据えた計画とする必要がある。そのためにも、まず現在進行中ではあるが第6次計画において取り組んでいる個別事例の徹底した総括が必要であると考えられる。そして、そこで浮かび上がってくる課題を整理し、その上で農業、行政、地域、個別農家の役割を明確にした振興計画策定に取り組む必要がある。
業務は来年度との2ヵ年であるが、1年目の今年度は、振興計画策定のためのプロジェクト体制の構築、基本方針とスケジュール作成、そして部門別に現計画の装着に着手した。
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