岩見沢市は合併後3年を経過し、岩見沢農業を取り巻く情勢は、高齢化、後継者不足等に加え、水田・畑作経営所得安定対策をはじめとする農政改革の進展、生産資材の高騰農地政策の転換等、大きな変換期を迎えていることから、こうした農業情勢の変化を踏まえ、市としては今後、適切な地域農業振興策を実施するための基礎資料を得る必要があると考えている。このため、各種基礎調査を実施し、岩見沢市農業の現状分析、課題、方向性を整理し、また、岩見沢市農業の今後の農業振興ビジョンの策定に向けて、基礎調査の結果をさらに深化させ、ビジョンに反映させたい考えである。
本事業はこれらを背景として、関係機関調査、農業者意向調査(アンケート調査)、農家ヒアリング調査を実施し、これらの調査結果から、地域農業の現状と課題、個々の農業者の経営実態と将来に対する意向等について集計・分析を行うとともに、岩見沢市農業の現状分析、課題整理、及び展開方向について提言を行った。それらの結果については平成22年3月に報告書として提出し、業務を完了した。
本調査研究は、千歳市の平成23年度を初年度とする「(仮称)千歳市新農業振興計画基本構想・基本計画(平成23年度~平成32年度)」の策定に向けた事前調査を目的としている。
調査実施にあたっては、前農業振興計画(平成13~22年度)の進捗状況を検証するとともに、千歳市農業の現状と課題及び農業者の意向等を把握し、北海道農業・農村振興条例並びに平成17年度からの食糧・農業・農村基本計画(新基本計画)等の農業政策及びその他情勢変化に対応しつつ、千歳市長期総合計画と連動させながら調査研究を進めた。
平成21年度は、事前調査として1)千歳市農業の現状と意向、2)千歳市農業の課題の整理、3)千歳市農業の新たな展開方向の提言について取りまとめた。その際、関係機関調査、抽出農家の個別聞き取り調査、営農意向アンケート調査を実施した。これらの内容について取りまとめた事前調査報告書を委託者に提出し、平成21年度事業を完了した。
1990年代に入り、北海道農業を取り巻く環境は大きく変貌した。グローバリゼーションの進展に伴い、農産物価格政策は市場評価を反映したものへと転換され、本道における基幹作物の価格は軒並み低下した。それに連動して農業産出額及び農業所得も低下し、次代を担う農業後継者の他出傾向が強まり、離農の増加、さらには耕地面積の減少までもが進行している。換言すれば、農業危機が進行しているということである。
小清水町もこうした動向とは無縁ではない。畑作中核地帯に属する斜網の中心部に位置するがゆえに農業危機を実感するのは困難なことかもしれないが、小清水町においてもそれが確実に進行しているのが現状なのである。
こうした厳しい経営環境の下、JAこしみずは平成22年度から3ヵ年かけて実践する農業振興計画「JAこしみず次期3ヵ年計画」を策定することとなった。その策定のための基礎資料となるのが本報告書である。今回の調査研究を進める上で、組合員全戸に対するアンケート調査を実施し、87.5%という高い有効回答率を得ることができた。この結果についてまとめた報告書を委託者に提出し、本調査業務は3月末に完了した。