1)概 要
昨年度(平成20年度)は、かつて経験したことのない原油・穀物など資源価格の乱高下に見舞われ、また、中国製冷凍餃子事件、事故米の不正転売、相次ぐ食品の偽装事件などにより消費者に対して安全・安心への大きな不安を抱かせた。
食糧自給率の向上や安全・安心な食料の安定的な供給、環境保全など、今ほど国民の農業に対する期待度が大きな時期はないといえ、これらの期待に北海道農業はより一層応えていく必要があると考えられる。
また、昨年の衆議院議員選挙において、自公連立政権から民主党を中心とする政権へと歴史的な大転換が行われたことから、農政がこれからどのように展開するか不透明な状況にある。先般決定した我が国農業の発展、農村の振興を目指す「新たな食料・農業・農村基本計画」をみても、国民及び道民の理解なくして実現できない課題が山積みとなっている。
こうした中、日本のマスコミ界をリードしているNHK解説委員室・合瀬宏毅氏をお招きし、「北海道の活性化に向けた農業の役割」と題するご講演を通じて、北海道農業の今後のあるべき姿やそれに関わる農業関係者の対応についてご提言いただいた。
2)内 容
1.開催日時 | 平成22年3月9日(火) 15時~16時45分 |
2.開催場所 | 共済サロン 「芙蓉の間」 札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル8階 |
3.基調講演 | |
講演テーマ | 「北海道の活性化に向けた農業の役割」 |
講 師 | NHK解説委員室 合瀬 宏毅 氏 |
4.参加者 | 164名 |
1)テ ー マ
「北海道農業のポジションとベクトル」
-地域農業研究所6年の回顧から-
2)概 要
我が国の「農協論」に関する権威の一人であり、コープさっぽろ会長として本道生協運動の牽引役を長きにわたってつとめ、また近年では道農政部「食の安全・安心委員会」の会長としてGM問題など難問山積みの中、本道農政の舵取りをこなし、「ホクレン夢大賞」審査委員長、開発局「わが村は美しくコンクール」審査委員会特産物部会長なども務めてきた太田原高昭・本研究所前所長(現顧問)に講演をお願いした。これまで研究所で取り組んできた研究成果を振り返りながら、道行政および消費者の立場からみた今後の北海道農業の方向性、経済界との連携の重要性などついてご提言いただいた。
3)開催日時 | 平成21年5月26日(火) 14時30分~16時 |
4)開催場所 | センチュリーロイヤルホテル20階「真珠の間」 札幌市中央区北5条西5丁目 |
5)講演者 | 北海道地域農業研究所 所長(開催時) 北海道大学 名誉教授 太田原 高昭 氏 |
6)参加者 | 160名 |
―地域活性化の旗手「グリーンツーリズム」が北海道にもたらすもの―
1)概 要
北海道観光において、農業は重要な位置を占める。
自然、温泉、食の3つが北海道観光の大きな魅力であり、農業は新鮮で美味しい食材を提供してきた。これに加えて、近年では、農村地域をめぐる観光ツアーが人気を呼んでいる。また、観光振興によって農村地域の活性化を図ろうとする地域も多く、地域農業と観光とは強い関連を持つようになっている。
農村地域の観光地化には二つの形態がある。一つは、農業者および関連団体・組織が主体となって、人的交流によって農業・農村の多面的機能を提供する、グリーンツーリズムである。もう一つは、農村地域そのものが観光の対象とされる農村観光である。
北海道においても、平成14(2002)年にグリーンツーリズム推進指針が策定され、農業・農村振興策の一つとして推進されている。また、平成17(2005)年の食育基本法の制定によって、修学旅行における農業体験の導入など、その需要は高まっており、それに対応した農業者のグリーンツーリズムへの取り組みも広がっている。
本講演会は、農村地域の観光地化の現状と課題及び農業者と商工業者の連携による地域農業活性化の可能性などをテーマとし、関係者の理解を深めること、北海道におけるグリーンツーリズムの展開方策をさぐることの2点を目的として行われた。
2)開催日時 | 平成21年7月2日(木) 13:00~16:40 |
3)開催場所 | JA北農ビル 19階 第6会議室 札幌市中央区北4条西1丁目1番地 |
4)個別講演 | 「わが国農村ツーリズムの現状と課題-国際比較の観点から-」 千葉大学 大学院園芸学研究科 教授 大江 靖雄 氏 「モノからヒト、そしてココロの交流へ-『消費されない農村』のために-」 中央農業総合研究センター 主任研究員 飯坂 正弘 氏 「農村ツ-リズムにおける農業と観光産業の連携の可能性-アンケ-ト調査から」 北海道武蔵女子短期大学 准教授 松木 靖 氏 |
5)後 援 | 北海道、JA北海道中央会、 北の3大学連携センター(北大、帯広畜産大、酪農学園大学) |