都府県における野菜産地は労働力不足や連作障害の影響から後退傾向にあり、道産野菜の移出は、馬鈴しょ、玉ねぎ等のいわゆる重量野菜に加えて葉茎菜や洋菜類の移出が増える見通しにある。葉茎菜や洋菜類の遠隔輸送にはより厳密な鮮度保持が必要であり、今後の野菜移出の拡大には低コストの保鮮物流システムの確立が急務となっている。本研究は、移出野菜の鮮度保持の実態とコスト規定要因を流通段階別に検討し、効率的な保鮮物流のあり方及び物流コスト低減の方向を明らかにしようとするものである。
2ヵ年度事業として行うが、第1年次の今年度は、1)道産野菜の移出と保鮮移出の実態に関する道農政部農産流通課並びに畑作園芸課による調査結果からの集計分析、2)保鮮移出物流の出荷、輸送段階について農協・青果商・輸送会社を対象としたアンケート調査、3)移出型産地の産地形成の動向と予冷施設の稼働状況に関する現地調査(東川町農協・鵡川町農協)の3項目について実施した。次年度は、物流のパターン別の詳細な実態やコスト面での検討、また当初計画である消費地物流の実態を調査し、低コスト保鮮物流の総合的な検討を行う予定である。
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