小売用パッケージはそもそも肉や魚類の鮮度保持を主眼にして始まったが、青果物にも利用され、店舗のバックヤードまたは量販店の配送センターでパック・販売されてきた。このことにより店舗内でのハンドリングの簡素化が実現されたが、POS(販売時点情報管理)の導入により、バーコードを利用して売れ筋情報を集める、あるいはレジの省力化につながるなど、より積極的な目的が加わり、今ではパッケージは必要、欠かせないものとなっている。
その後、量販店では人件費高騰とごみ処理問題から外部委託加工を増加させ、卸売会社、仲卸、専門パッケージ会社、系統(全農)などによる消費地パックが現在の主流となっている。しかし、採算性やゴミ問題から、最近では産地包装への期待は高い。北海道からの移出野菜は年々伸長しているが、一方ではマーケット側からの強い要請に合わせきめ細やかな対応が迫られている。産地パッケージもその一つであるが、設備投資・人件費などのコスト問題、規格の簡素化と統一問題、鮮度保持輸送問題など解決すべき課題は多い。
本研究は平成6~7年度の2ヵ年度、この問題をテーマとして取り上げ、実態調査などを通して共同研究を取り進め中である。調査方法は聞き取り調査を主とし、対象は量販店、卸・仲卸、農協系統、産地青果集荷業者として、本年度は一部の聞き取り調査を終了した。平成7年度には調査・分析を完了し、報告書として取りまとめる予定である。
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昨年度から始まったこの研究は、既に昨年度に基金協会への中間報告を行っている。また調査対象となった農協への報告を行い、クミカンの規模階層別の平均値を指標として集計し、これを営農指導の場に生かすという取り組みも具体的に始まっている。
本年度はデータの追加入力で正確な分析を進め、負債累積農家の詳細な経営変化の経過についての調査も実施した。昨年度は負債対策農家と一般農家との経営成果の差異や変化に分析の重点が置かれたが、本年度はその要因分析に力点を置いている。
これまでの分析では負債対策農家は、平均的には急速に多頭化して所得率を低下させているため、経営内部の見直しにより所得率を上げて償還財源を増加させる自助努力の方向を一つの改善策として考えることができる。しかし自助努力には限界があることが予想されるのであり、こうした経営転換の条件や限界を明確にすることを課題として、現在報告書を取りまとめ中である。
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農協営農指導事業の充実には技術者の確保が不可欠であるが、社会・経済的背景から戦後は農業改良普及事業に流出し、技術指導は普及所、経営指導は農協の分化がみられる。
近年、作目や営農形態の多様化によって、技術の高度化・多様化が求められ、農協として技術者の養成確保が急がれている。道内においては地域別・営農形態別に取組体制の歴史的変化によって格差がみられ、府県との差異も生じていることが考えられる。
したがって、今後の取組には連合会の補完機能や農業改良普及所の変革などの関わりを視野に入れた体系的調査が必要である。本研究では、道内の農協・連合会を主体に、経過と現状の実態調査・分析を行い、先進的府県と比較しながら営農指導技術体制の特徴をとらえ、今後のあり方を示すこととする。
報告書は、アンケート調査、現地農協調査並びに関係機関調査、先進的府県調査及び関連諸資料の収集・統計分析を経て、平成7年12月末までに完成する予定である。
千歳市では、国営土地改良(総合かんがい排水)事業の導入(昭和61年)により、長沼町との境界に位置する長都沼を干拓し、168haの農地を造成した。市、農協はじめ関係各機関は、この農地を合理的に活用するため、個人に売り渡すのではなく、法人を設立し共同利用させる方針を打ち出した。このような経営で昭和63年に設立されたのが、農事組合法人ネシコシ生産組合である。
ネシコシ生産組合は、現在56戸の構成員農家からなるが、これらすべての農家が法人有地を主とした営農を希望しているわけではない。かといって、法人有地での耕作権を放棄する様子もなく、法人運営の将来方向が問われている。そこで本事業では、法人有地の営農に積極的に取り組んでも良いとする3戸の農家(アンケート調査にて回答)に運営・管理をまかせ、その他の構成員農家には出資金の返却と農地集積等の優遇措置をもって耕作権を放棄させていく方向を提起した。また現地では、当法人を市内遊休農地の受け皿として位置付けたいとも考えており、その場合の手続き、補助事業、融資などについても検討している。
なお本事業は、10月26日に現地最終報告を行い、報告書の提出をもって終了している。
美深町においては、数年前から農業機械の共同利用を推進しようとして50余あった農事組合を12の地区別営農集団に再編成した。だが、その後の実態は、零細高齢農家や兼業農家でも一通りの中古機械を所有しているので、本来の共同利用組織には程遠いのが現状である。ただ各集団の意向としては、今後、新規に機械を更新する場合、大型のものを共同利用(受委託も含めて)を前提に導入したいと考えている。こうした中にあって東地区の営農集団は、注目すべき成果を挙げている。すなわち、零細な兼業、高齢農家の農作業(耕起、堆肥撒布、収穫など)を専業農家が受託し、これらの委託農家から大変喜ばれているのである。
しかし、機械の共同利用を目的に発足した営農集団であったが、全道的にみても従来協業的機械利用組織は、多くの壁に突き当たっている。つまり、それは農家間の同質性が階層分化によって失われ、平等な出役が困難であるばかりでなく、協業組織の次の発展段階である作業受委託においてさえ、規模拡大が進んだ専業農家にとっては、兼業、高齢農家のための作業受託が負担になってきているのである。
本事業は、以上の現状を踏まえ、東地区の農業構造の実態を基礎に、今後の営農集団のあり方や地域農業のあり方や地域農業を守るための支援組織のあり方を検討したものである。
七飯町では、平成5年を初年次とした「七飯町農業活性化構想」及び「農協振興計画」が策定されているが、その中で、緊急性の高い9項目の一つとして「農作業の受委託の推進」が取り上げられている。
また地域の農業について、1)かつては米生産が主力であったが、転作の推進に伴い花・野菜が導入され、現状では「稲作+α」の複合経営の方が収益性が高い。2)既往の稲作農作業共同利用組織は、稼働率の減少と高齢化に伴うオペレーターの確保難から償却困難など運営問題が生じている。3)農家のなかに、コンバイン等の更新時期を契機に稲作を休止したい意向が出てきている。4)今後多くの離農の発生が予測されるが、当町での離農は農地の流動化とはならず、農地の遊休化に結び付く恐れがあるなどの問題提起がなされ、町全体としての農業生産額の低下も危惧されている。
このような事情から、農協では、平成6年度に国の補助事業「農山村活性化農協活動促進事業」の適用を受けたことを契機に、当該補助事業の一部として農作業受託組織の設置構想を練り、関係機関団体で構成されている町営農対策協議会に検討を求め、その実現に努める方針とした。
本調査業務はその一環として、町農業・農村の実態に即し、かつ収支面を考慮に入れた農作業受託組織の設置構想の提示を目的に、調査検討を行うこととしたものである。具体的には、七飯町農業に関する各種資料や道内での稲作に関する農作業受託組織の事例等を収集するとともに、委託先農協を通じての町内の全農家を対象としたアンケート調査を実施して、農作業の外部委託の状況と今後の委託希望等についての意向を把握・分析し、これらをもとに受託組織のあり方等について検討を行い、その成果を取りまとめて提案した。
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農協営農指導事業の充実には技術者の確保が不可欠であるが、社会・経済的背景から戦後は農業改良普及事業に流出し、技術指導は普及所、経営指導は農協の分化がみられる。
近年、作目や営農形態の多様化によって、技術の高度化・多様化が求められ、農協として技術者の養成確保が急がれている。道内においては地域別・営農形態別に取組体制の歴史的変化によって格差がみられ、府県との差異も生じていることが考えられる。
したがって、今後の取組には連合会の補完機能や農業改良普及所の変革等の関わりを視野に入れた体系的調査が必要である。本研究では、道内の農協・連合会を主体に、経過と現状の実態調査・分析を行い、先進的府県と比較しながら営農技術体制の特徴をとらえ、今後のあり方を示すこととする。
報告書は、アンケート調査、現地農協調査並びに関係機関調査、先進的府県調査及び関連諸資料の収集・統計分析を経て、平成7年12月末までに完成する予定である。
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