本活動研究の内容は、現在当研究所が美瑛町より委託を受けて取り組み中である「美瑛町農業振興計画策定に係わる基礎調査」の延長線にあるもので、具体的なコンサルタント活動として、委託者が実施する地域連携システム支援コンサルタント活動の実施市町村である、美瑛町における今後の農業構造改善事業導入に資するため、技術的・経営的要素を有する課題について、調査・診断・助言を行うものである。農業構造改善事業を効果的に推進して、事業成果の確保及び早期発見するためには、農業・農村での実態変化に対応して、取り組もうとする基本的な考え方とその具体的な方向付け、到達内容を明確にしておく必要がある。
このため、現地美瑛町において地域農業の再編強化のため、とりわけ重点的に展開しようとしている「地域振興と担い手育成」「高齢農家問題と農地流動化対策」の2課題について、今後想定される課題、実践活動のポイント、町の推進体制のあるべき姿に加え、併せて農家の構造改善意欲及び取り組み姿勢等について効果的な推進のための手法の助言、改善すべき事項についての一般コンサルタント活動を行うとともに、今後の農業構造基盤確立対策に対する助言を行ったものである。
平成7年12月には機関調査を実施し、本年1月にはアンケート調査・農家調査を行って、3月に最終報告会を開催し、委託者に意見書を提出し完了した。
量販店では、人件費高騰、ゴミ処理問題あるいは仕入れコストの削減を図るため、青果物の店頭用パッケージの外部委託を急増させている。現在、パッケージの委託先は市場関係会社や専門業者等の消費地パッケージが主流となっているが、パッケージ作業の効率化やゴミ処理問題等から、産地パッケージへの期待が一段と高まってきている。道産野菜の移出拡大や実需、消費者へのきめ細やかな販売対応を行うためには、パッケージ流通の変化に呼応した産地パッケージの取組や産地対応のあり方が重要な検討課題となってきている。
本研究は平成6~7年の2ヵ年度、この問題をテーマとして取り上げたものである。平成6年度には、1)量販店の販売・仕入れ及びパッケージの外部委託の動き、2)道内の産地パッケージの動きと事例等の調査を行った。引き続き平成7年度には、3)消費地パッケージの事例調査、4)道内産地パッケージ事例の補足調査を行った。
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北海道は、大規模専業層の農家を多く抱えている地域であるがゆえに、他府県にまして営農指導、とりわけ技術指導体制の充実が必要であるが、その実態は同一運営規模であっても、極めて高度化した技術水準・指導体制を実現している農協が存在する一方で、ほとんど体制を備えているとはいいがたい農協が混在している。加えて、業務分野においては、技術指導と経営指導の連携が総じて不十分であり、指導水準の農協間格差の拡大と質的な多様化とも相まって、地域農業の活性化に対しても大きな影響を及ぼしているのが、北海道の営農指導の実態である。したがって、今後、農協系統における営農指導のあり方について検討するためには、連合会の補完機能や農業改良普及センターの変革などの関わりをも視野に入れた体系的な調査に基づく方向付けが必要となる。
本研究では、道内の農協・連合会を主体に、営農・技術指導の経過と現状の実態調査・分析を行い、先進的府県との比較をしながら、特徴を捉え、今後、北海道における営農指導体制のあるべき姿を求めることとした。平成6年度に実施した基礎調査を基に、平成7年度にかけて関係機関の調査及び関連資料の収集・統計分析を行い、とくに、町村の単位農協の実態のみならず、地域として組織・期間横断的な営農技術指導体制の実態を踏まえ、連合会の役割・機能について具体的な方向・あり方などについてまとめた。
この報告書については、JA全国中央会、ホクレンの承諾の下に、「研究叢書No.26」として発行する予定である。