北海道農業協同組合学校では、農業・農協分野の学者・研究者と懇談・交流を深め、農業・農協分野の課題や解析に関して広く情報提供を行い、研鑽を重ね、JA役職員教育・研修の今日的あり方を検討することを目的に「農業・農協問題懇話会」を発足させている。
この農業・農協問題懇話会に対する支援・診断業務は、平成21年度においては1)懇話会の開催・運営に係るコンサルテーション、2)大学や研究機関研究者の懇話会参画への手配・斡旋、3)研修会への講師の派遣、4)視察・研修旅行の企画への助言、5)各種論文等に係る勉強会の実施と研究資料等の情報提供、6)その他関連する事項への助言並びに支援の、6項目に関する助言・支援を行った。
なお、5)においては、JA全国大会議案、北海道大会議案について勉強会を実施するとともに、各種論文に係るものについては「農協の大罪」(宝島新書、山下 一仁 著)を取り上げ、反論等の勉強会を行い、かつ報告会も実施した。
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本道の農村と農業を取り巻く環境は、担い手の減少、食料自給率の低下や内外市場開放圧力の増大、食の安全に対する不信の拡大等に加えて、地球温暖化による異常気象の頻発、石油等資源化画や国際穀物価格の高騰、サブプライムローン問題に端を発した金融システムの不安化等、かつてない先行き不透明感に覆われている。
その中にあって、戦後農政の大転換といわれる「水田・畑作経営所得安定対策」が始動し、生産農家の経済に大きな転機をもたらしている。
これまで本道農業を支え、先導してきた農協系統組織は、系統理念のもとに幾多の試練を乗り越え食料の安定供給と地域経済の基盤を支えてきたが、取り巻く環境が厳しく逆風下にある今こそ、組合員の生活と経済を守り、地域コミュニティを維持・発展させる中心的役割を果たすことがJAに課せられている。
以上のことから、空知管内JAグループが激動する情勢変化等を的確に把握、認識を共有し、これらをもとにした地域農業振興方策の樹立に関する研究と内包する地域課題を整理し、組合員の安定した農業経営と健全なJA運営のあり方に関する研究等を進めるにあたり、本研究所の役割は、これら現地スタッフを主体とする共同研究の取組に対し、本研究所協力研究員の研究者ネットワーク等を活用し、関連する情報提供と現地主催研修会等への講師派遣・紹介を行うことを主な業務とする。
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