昨年度は稲作地帯を中心に検討してきたが、本年度は畑作地帯・酪農地帯の検討を行い、北海道全体としての農地問題に関して一定の方向を明らかにした。
農地問題を取り組んだ経過は、まず、研究者及び関係機関団体の農地担当者を構成員とする「ワーキンググループ」を組織し、この中で調査地の選定、定例研究会のテーマ設定などを行い、定例研究会の円滑な運営を図り、取りまとめを完了することができた。
研究会、現地調査を基にして坂下氏(北大農学部)、谷本氏(道東海大)、柳村氏(酪農学園大)、吉川氏(北農試)、東山氏(北大農学部大学院)の5名が執筆分担し、報告書を取りまとめた。取りまとめにあたっては1)地帯別の農地流動化の実態、2)農地の利用問題、3)農地流動化と金融問題、4)農地調整問題、5)今後の農地流動化対策に留意しつつ取りまとめたが、地帯別に若干の課題を残しているため、今後補足調査を行うなど、平成7年度に完成報告書とすることとした。
また、受託事業のテーマとの関連もあり、「農地移動等の現状同行の把握・分析」等の統計を集大成するとともに若干のコメントを加え参考資料を取りまとめた。
※ 未登録
近年5年ほどの間に農業情報ファクシミリ通信システムの普及、農家へのパソコン普及など、農業における情報伝達のシステム化が急速に進んでいる。一方、高性能パソコンの価格低下、高機能OSの普及、学校教育の中へのパソコン導入、高速データ通信網整備等、情報インフラの整備が進んでいる。
これらを活用して、農家経営、営農指導等も情報化による効率化を図り、余裕作出、新分野展開を考えていかなければならない。一方、情報化を進めるにつれ、情報の関係機関相互公開・交換、業務・データの規格統一等の問題も出てきている。
研究会としては、これらの問題について、農業情報センターの役割、農業センターの役割等を中心に、農業情報システムのあり方、農業の情報化成功の条件等について調査研究を進め、蓄積している。
また、平成7年3月に道立中央農試が中心となって地域農業技術センター連絡会議が設立されたが、農業技術センターの機能の柱の一つとして、農業に関わる情報の収集・蓄積・体系化・提供があり、連絡会議の活動との連携を図りつつ、農業現場に直結した農業情報問題研究を進めることとしている。
※ 未登録