本研究所では平成13年度より地域マネジメント体制の構築に関わる研究に取り組んできた。昨年度は北海道開発局委託事業を通じて道立農業試験場とともにこの研究を進めたが、本年度も昨年度同様、この体制で本調査研究に取り組んだ。
本年度は、これまでの調査実績を参考にしながらマネジメントシステムの有する問題点を精査し、システムの設置及びその展開を推進するにあたって鍵を握る事項について考察した。具体的に、1)マネジメントシステムに関わる地域性の検討、2)地域戦略の形成過程とその合意形成のあり方の検討、3)地域マネジメントに関与するマネージャーの有する機能とその役割についての検討、4)システムの構築に向けた誘導方策のあり方の検討の4点について焦点を当てた。
平成17年度はさらに考察を深め、これらの横断的評価を加えて、これまでの総括を行う予定である。
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現在進められているWTO交渉では、農業保護政策の縮小や価格政策からの転換が求められている。また、食料・農業・農村基本法に基づく基本計画の見直し作業の中で、食料・農業・農村政策審議会では、新たな施策の方向として経営安定対策(品目横断的政策等)の確立、農村地域資源保全政策の確立、農業環境・資源保全政策の確立を掲げている。これらのことから、北海道農業が政策転換の影響を大きく受ける可能性がある。これらに対し、北海道の農業・農村を健全に維持・発展させるため、実態に基づき施策の方向性を検証し、基本計画の具体的な内容を注視していく必要がある。
そこで、今年度から3ヵ年の期間で、WTO新ラウンド下における北海道農業・農村の基本対策を検討することとし、研究会を立ち上げた。平成16年度は特に畑作を中心に、代表的な地域の実態を踏まえ、経営安定対策を中心とする政策転換の影響と求める方向性の検討を行った。
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