北海道の農家戸数が5万戸を下回る中、担い手の規模拡大を基調にしながらも法人化や第三者継承といった新しい経営展開に取組む市町村もみられている。政府は「人・農地プラン」や「六次産業化」に続き農地中間管理機構や日本型直接支払制度の新設に加えて米政策を短期間に見直した。新しい農政が本道農業の担い手問題や産地形成にどう影響するか、検討を要するところである。
本研究は3年間の予定で、昨年は道南地域を、本年は上川北部地域等を対象に調査を実施した。26年度も対象地域を拡大して実施する予定である。
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JA全中が県連合会と全国連の統合方針を決定してから約20年がたった。経済事業では35の県経済連が全農と統合し、8道県では県経済連を存置した。
本研究では、組織再編後の経済事業の状況と今後の進むべき方向を考察する目的で、静岡、鹿児島、熊本、愛知、宮崎、福井の中央会と経済連の調査を行った。また、全農統合した長野県の状況も調査した。調査結果のうち公表可能なものを報告書として公表した。
高齢化と人口減少は困難で深いテーマである。北海道の農村の場合、その独特な歴史と散居性という問題が加わる。また、北海道の場合、電気や道路、除雪など生活環境は農業開発を推進力に整備されたが、この手法での課題解決はもはや困難となっている。
本研究は、本道の農村集落の定義や集落コミュニティの内容を整理し、その対応策を明らかにする。調査は2年間の予定であり、25年度は府県の専門家、実践家との意見交換や道内の先進事例調査を行った。26年度も調査・研究を継続し、北海道の農村集落問題の解決策の提言を試みる予定である。
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平成23年、国は六次産業化法を施行した。地場農産物を活用した加工食品の製造・販売、ファーマーズレストラン、直売所の運営等には、北海道内にも種々の事例が存在する。農業センサスによれば北海道の経営体の14%程度、つまり「7戸余に1戸」の割合で六次産業化の取り組みが行われている。
本研究では六次産業化の実態や国の政策について既存の調査結果や知見を検討・整理しながら、今後の事業進展に向けた提言を試みる。
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TPPが国内農業に及ぼす影響については、公的機関や大学教員の会の試算が公表されている。また、北海道の関連産業への影響では、産業連関表以外の手法によるシミュレートを受託研究で実施中である。
他方、液状乳製品への影響では公的機関と異なる見解が道内の農業団体や昨年度の当研究所の受託研究の中で指摘されている。道産飲用牛乳でさえ府県への流通システムが未確立なら負の影響が広がる等、本道の農畜産物へのTPPの影響は必ずしも定まっていない。
本研究では、そうした問題意識から本年度は情報収取を中心に取り進めたが、26年度より雑豆を事例にした調査研究に取組む予定である。
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