高齢化と人口減少は困難で深いテーマである。北海道の場合、府県とは違った形成の歴史や散居性という問題が加わる。また、農業開発を推進力に様々な農村整備が進められてきたが、この手法での課題解決も困難となっている。
本研究では、本道の農村集落の定義やコミュニティの内容を整理し、その対応策を明らかにする。昨年度・一昨年度は、研究班を設置し、府県の専門家、実践家との意見交換や道内の先進事例調査並びに本道集落問題の根本的課題の協議や、生活環境創出に向けた手法検討を行った。本年度は、3年間の調査研究の成果を中間報告書として取りまとめた。
本研究では、六次産業化の実態や国の政策について既存の調査結果や知見の検討・整理を図るとともに、今後の事業進展に向けた提言をまとめ、一部を昨年度会報で報告している。本年度は事例調査として森町のH社を取り上げ、その結果について学会や会報で報告した。
このH社は、平成15年に家族養豚経営の子会社として設立された企業である。同社は当初、親会社の豚肉の直販のみを行っていたが、北洋六次産業化応援ファンド投資事業有限責任組合からの出資により、自社ブランドの設立、加工・販売・レストラン事業へと事業を拡大、親会社の経営安定にも肯定的な影響を及ぼしている。
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